[Letter to Albert Aupetit] 1907 December 1
(1907年12月1日)
これらの書簡は、経済学者レオン・ワルラス(Leon Walras, 1834-1910)が1901年から1908年にかけて、フランスにおける最初の弟子であるアルベール・オプティ(Albert Aupetit, 1876-1910)に宛てたものである。ワルラスは一般均衡理論の創設によって現代経済学の基礎を築いた経済学者であり、フランスで生まれ、スイスのローザンヌ大学で教鞭をとった。主著として『純粋経済学要論』(1874)などがある。アルベール・オプティは、フランスにおけるワルラス理論の理解者の一人であり、彼の博士論文『貨幣の一般理論についての考察』(1901)はワルラスの一般均衡理論を受け継いだものであった。ワルラスはオプティに大きな期待をかけたが、オプティは教授資格試験に失敗してしまい、大学の教壇でワルラス理論を講義することはなかった。ワルラスの晩年におけるオプティとの希望に満ちた出会いとその後の失望をこれらの書簡が伝えている。