経済思想家の手稿と自筆書簡

[Letter to] an Unidentified Correspondent[James Anthony Froude], March 4 1861

J. S. ミルの[フルード宛]自筆書簡

フルードは、イギリスの歴史家でオックスフォード大学に学び、初め高教会派に属したが、カーライルの影響のもとこれから脱した。1892年から94年までオックスフォード大学近世史欽定講座担当教授を務めた。History of England from the Fall of Wolsey to the Death of Elizabeth ( 12 vols., 1856-70) の筆者であり、1860年から74年まで Fraser’s Magazine の主筆であった。書簡中にある「第一回分 the first instalment of mine」とあるのは、おそらく Fraser’s Magazine に1861年の10月・11月・12月に分載され、1863年に出版された『功利主義』のことであろう。これらのことから、この書簡の宛先が、この Fraser’s Magazine の編集者であったフルオドフルードであると推定できる。この書簡は、未公刊の書簡である。

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