経済思想家の手稿と自筆書簡

[Letter to] Leigh Hunt, March 14 [1837]

J. S. ミルのハント宛自筆書簡

ハント(James Henry Leigh Hunt, 1784-1859)はイギリスの随筆家、詩人。急進的な新聞 Examiner を1809年に、次いで Reflector を1810年に創刊し、当時の摂政を侮辱した罪で投獄。著作に A Legend of Florence (1840)、Imagination and Fancy(1844)などがある。
ミルにハントを紹介した一人は、ミルから多大の文献上の援助を受けて大著『フランス革命史』(1837)を書いたカーライル(Thomas Carlyle, 1795-1881)である。
この書簡はハントの London and Westminster Review 最初の論文 “Lady Mary Wortley Montagu” の出版の過程で、ミルからハントへ送られたものと考えられる。この書簡の冒頭で「次の月の20日に London and Westminster Review の近刊が出版されるだろう」と書いていること、さらに実際に4月に公刊されたことから考えると、この書簡は3月にミルがハントに出したことがわかる。さらに、1837年3月13日のミルのハント宛Letter 198 ( The Early Letters of JSM )で「印刷開始」を告げていることから考えると、この書簡は3月13日以降のものであり、3月15日のミルのハント宛Letter 199でハントがミルの手紙を受け取り、喜びを表しているが、この喜びをハントに与えた手紙が、おそらくこの書簡であると考えられるので、この書簡の日付は、3月14日の可能性が高いと思われる。 Collected Works of John Stuart Mill に未収録の書簡である。

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