経済思想家の手稿と自筆書簡

[Letter to] Nassau William Senior, May 1 [1870]

J. S. ミルのシーニア宛自筆書簡

ジョン・ステュアート・ミルから経済学者のナッソー・ウィリアム・シーニア(1790-1864)宛の自筆書簡。関西学院大学図書館は、J. S.ミルからN.W.シーニア宛の六つの書簡を所蔵している。この書簡はその第6信にあたり、「5月1日」とのみ日付があるのみで、年号がない。東インド会社から発信した書簡である。
医師から外出を控えるよう指示されているので、クラブに同席できないのは残念であると記した後、「カーペンター博士が Registrarship を望んでいる理由の一つ」が健康上の問題によるもので、「彼がさらに高い役職を行う能力があることは疑問の余地がないが、実際にそれを得る機会があると思えない。バーンズの場合、失敗は彼が収税吏になったことにあるのではなく、もっと良い職を得なかったことにあった。」と書いている。このカーペンター博士はウィリアム・ベンジャミン・カーペンター(1813-1885)であり、Registrar はロンドン大学の実質的な総長にあたる職であったこと、バーンズは詩人のロバート・バーンズ(1759-1796)である。
この書簡の中で大学の人事、特にロンドン大学の人事が話題になっていることが興味深い。
Collected Works of John Stuart Mill にも未収録の書簡である。

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