経済思想家の手稿と自筆書簡

1870 TO JOHN STUART MILL Esq. Late M. P. for Westminster/The first to urge the claims of Women upon the notice

「女性解放への貢献に対してJ. S. ミルに送られた感謝状」

J.S.ミルは、1867年5月20日、下院の第二次選挙法改正をめぐる討議において、イギリス憲政史上初めての女性参政権を要求する修正動議を提出した。ミルはこの主張を、同法案中の man を person に代えようという、最も単純明快な修正動議として提出した。この感謝状には、女性参政権の要求と人間性全般に対するミルの奉仕と、既婚女性財産法成立への努力に対して感謝の念が表明され、これらの問題にたいして社会的注目を喚起した功績が讃えられている。
この感謝状は、関西学院大学学長堀経夫教授(1896-1981)が1923年に東北帝国大学から国費留学した際に、ロンドンの古書店から20ポンドで購入され、所蔵されていたが、教授の逝去にともない、ご遺族の堀きみえ夫人のご芳志によって関西学院大学に寄贈されたものである。
なお、下の画像は、文字を見やすくするためデジタル加工を施したものである。注 田中敏弘「女性解放への貢献にたいしてJ.S.ミルに送られた感謝状」(再録『堀博士とその経済学史研究』玄文社、1991、121-37頁)

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